t-onとは こんにちは、guestさん ログイン  
 
総合TOP | ユーザー登録 | 課金 | 企業情報

 
 
クリエイター名  猫亞阿月
サンプル

1 残月
 暗い闇に異形が跋扈(ばっこ)する。欠けて僅わずかに残る月が、……赤い。



「……夜の間は、俺の部屋に近づくなと言ったぞ」
 微かに月明かりが差し込む窓の傍(かたわら)。
 短くなった煙草を咥(くわ)えながら、男は窓の外にとごる闇をただ気だるげに眺めていた。
 いつもよりもずっと低い、掠れたその声に、声をかけられた少女の胸はたやすくざわめく。たった今、自らが踏み越えた部屋の敷居がひどく高いものに思えて、少女はその場に立ち止まった。そして、男の後姿をじっと見つめる。
 ……広い背中。少し色あせた白いシャツの下にある大きな傷を思い出し、少女は目をしかめた。思うだけで、自分の方が痛くなる。そうして、ぐらついた決心をもう一度硬く、強固に固めなおす。

 逃げない。絶対に。――そう、思った。

 少女が一向に動く気配を見せないのに気付いた男は、密かに深く息をつく。咥えた煙草をそのままに、少女を軽く顧(かえり)みた。
「……どうした。何かあったか」
 男の言葉に、少女は小さく首を横に振った。そっけなく響く男の声の中に、確かに滲(にじ)む心配の色を感じ取って、一層胸が苦しくなる。知らぬ間に、彼女は両手を胸の下で組み合わせていた。
 そんな彼女をしばらく見つめ、やがて男は視線を逸らす。
「じゃあ、帰れ。夜はここには近づかない。それがルールだろ?」
 言い放ち、再び夜に目を向ける男の背を変わらず見つめながら、少女は深く息を吸う。……吐く。一度、二度と。
 大丈夫。言える。
 体中のちっぽけな勇気をかき集めて考えたその言葉を、少女は口にした。ともすれば震えそうになる喉を、声を必死で押さえつけて。
「……今日は私……ここに、います」
 静かに流れる空気を震わせた言の葉に、今度こそ男は少女に身体ごと振り返った。驚いたような、咎めるようなその視線を受けても、少女の目は揺らがない。
「……一人寝が寂しいのか」
「からかっても、怒っても無駄です。私は、ここを動きません」
 笑いを含んだ男の声も、今日の彼女には功をなさない。それほどに、彼女は真剣だった。
「…………」
 沈黙がその場を満たす。
 男は黙って少女を見ていたが、もう笑ってはいなかった。強い眼差しで、射るように自分を眺める彼女を、静かに眺めている。

 ――やがて、男が動いた。
 手に持っていた煙草を床に落とし、まだ火の残るそれを踏みつける。
「あ……!」
 思わず声を発する彼女を意に介さず、男は焼けたはずの足を平然と進めた。……彼女に向かって。
「…………」
 先ほどとは明らかに違う男の目に、少女はまた決心が揺らぐのを感じた。それでも、その場を動かない。彼から逃げない。それだけが、今できるたった一つの彼女の心の証だから。
 動かない彼女の目の前まで来て、男は足を止める。濡れた瞳で、どこか許しを請うように自分を見上げる少女を見下ろし、呟いた。
「……脱げよ」
 掠れた声は色を含み、少女の耳朶に届く。まるで心臓を掴まれたかのように、少女は身体を震わせた。
 男は彼女に触れようとはしない。ただ、冷たく暗い目で彼女を見ている。
 その強い視線に灼かれるようで、少女はゆるゆると瞼を閉ざした。胸のあたりがひどく熱くて、上手く身体が動かない。
 ……だけど。
「できないなら、いい。…………帰れよ」
 必要以上に、冷たい声。そっけない態度。それらはすべて少女の為。痛いほどに、それがわかっているから。
「いや、です……」
 ゆっくりと、少女の手が服のボタンにかかる。その手の震えように、男の顔が苦しげにこわばった。――少女は気付かない。
 そして、ふわりと白く薄い上着が簡素な床に落ちる。まるで鳥の羽毛のように落ちたそれを眺め、男は初めて彼女に手を触れて、強く引いた。
「もう、知らねぇ……」
 吐息と共に漏れた苦渋に満ちた言葉は、広く熱い胸に抱きすくめられた少女には届かない。

 ただ、僅かに残る月だけが二人を照らしていた。


2 少女
 高山雪花(せつか)がそれに気付いたのは、通い慣れた通学路を半分ほど過ぎてからだった。
 ――自分の足音に、一定間隔でついてくる足音がある。
 慌てて立ち止まり、雪花は後ろを振り返った。
 薄暗い道。月さえも見えない真っ黒な空。電信柱の上にぼんやりとしがみつく、錆びた電灯が照らす場所だけが、ほんのりと明るく浮かび上がっていた。
 その電灯がたてるじじ、という虫の羽音のような音に、雪花は何故かぞくり、とする。
 ……誰もいない。足音も、聞こえない。きっと気のせいだったんだ。そう思い込もうと努力しながら、雪花はまた帰り道を歩きだした。足は、自然と速くなる。
 お願い、聞こえないで。
 そんな彼女の願いもむなしく、後からついてくる足音はまた始まった。やはり、同じ早さでゆっくりと自分の足音に重なる音がある。
 雪花が止まると、一瞬遅れて足音も止まる。歩き出すと、また聞こえる。そんなことが何度か繰り返された。
「…………っ」
 緊張と恐怖が最高潮まで達し、雪花はとうとう走り出した。すると、待ちかねていたかのように足音も小刻みに走り出す。
 いやだ! どうしてこんな目にあうの……。
 学校で琴の稽古を受けた、その帰りだった。
 いつもより担当の先生の機嫌が悪く、雪花は僅かな間違いにも叱責を受けた。その箇所を練習していて、いつもより帰りの時間が遅くなってしまったのだ。
 必死に走っているつもりなのに、足は早く動くどころかがくがくと震えてもつれる。気ばかりが焦って前にはいくらも進まない。……今にも転んでしまいそうだ。それでも、雪花は懸命に走った。
 後ろから追ってくる足音が遠いのか近いのか、もう彼女にはわからなかった。少しでも先に走る。走る……!
 その単純な言葉だけが、彼女の頭を埋め尽くしていた。

 ――どこをどう走ったかわからない。気付けば、雪花はあまり見覚えのない通りにいた。
 喘ぐほどの息の苦しさに、雪花はとうとう足を止める。喉が、灼け付くようだった。
 荒く息をつきながら、雪花は靴を脱ぐ。疲れ果てた頭で革靴は走るのには向かない、と今更ながらに思った。
 そして、耳をすませる。足音が、正確には足音の主がまだ追ってきているのかを確かめるためだった。
「…………」
 何も、聞こえない。諦めてくれたのかしら……?
 どれだけ耳をすませてみても、雪花の耳に届くのは強い風が建物の隙間をすりぬけてたてる泣き声のような音と、妙にやかましく聞こえる自分の心音だけだった。
 ――よかった…………。
 思わず安堵の息をつき、雪花が胸を撫で下ろした、その瞬間。

「…………まだ、いるよ……」

 自分の真後ろから聞こえた笑いを含んだ声に、雪花の身は凍りついた。
 反射的に後ろを振り向いたが、背後には誰もいない。……当然だ。誰もいないことは、さっきも確認した。なら、今の声は?
 恐怖は震えとなって足元からじわじわとあがってきた。何故。どうして。そんなことを考えるよりも先に、身体が動き、音にならない、声が迸る。
「―――――――っ!」
 手に持っていたカバンさえ投げ出して、雪花は走り出した。
 逃げなきゃ! ……どこでもいい。ここでない場所なら、どこでも……!
 うまく判断のつかない頭で、雪花は右斜めに地下鉄への連絡口を見つけ、一気に走り降りる。
 人がいる。ここを走りぬけて、連絡口を上がれば、地下鉄には人が……!
 気を抜けばすぐに飛びそうになる意識に必死でそう言い聞かせながら、雪花は連絡口を疾走した。もう、後ろさえ振り向くことはできない。そんなことをした途端に、何かにつかまってしまいそうだったからだ。
 うまく力の入らない両足に何度も転びそうになりながらも、雪花は連絡口の階段を駆け上がる。
 …………ここを上がれば、きっと駅員さんがいる……
 自分以外の人間に会いたい。彼女の心を占めるのは、いまやそれだけだった。

 ――しかし。

「…………そんな……どうして……!?」
 目の前に広がる光景が信じられなくて、雪花はその場に棒立ちになった。
 どこにでもあるような地下鉄の改札。切符売り場。ホーム……。そのどこにも、雪花が切望していた人の姿はなかった。
 ……こんなことが起こるわけがない。だって、今はまだ八時を過ぎた頃なのに。
 誰一人……駅員さえもいないなんて、そんなはずは……!
 いくらそう否定してみても、目の前に突きつけられる現実は無慈悲だった。
「どう……して……?」
 ぎりぎりの線で保っていた感情の糸は拠り所を失ってあっさりと切れ、雪花は追ってくるもののことさえ忘れてその場に崩れ落ちた。後から後から、涙がぽろぽろと流れ出る。

 怖かった。

 恐ろしくて、訳がわからなくて。どうして自分がこんな目にあうのだろう、とぼんやりと思う。
 もしかしたら、逃げても無駄なのかもしれない。自分はすでに、引き返すことのできない場所に迷い込んでしまったのではないだろうか。
 漠然と、そんな恐怖が顔をもたげる。そしてそれは、雪花の脳裏に一つの違和感を思い出させた。
 それは、学校の事務室の映像だった。レッスンが終わった後、いつも彼女が部屋の鍵を返しに立ち寄る事務室。今日もそこに立ち寄ったのだが、何故か必ずいるはずの事務員の姿が見えなかった。
 雪花の学校は女子高の私学で、夜も必ず事務室には人が一人はいる。見回りや、何かの用事で一人が場を離れても問題のないように最低でも二人の事務員が配置されているからだ。
 そして、学校を出てからも一人として人の姿を見かけていない。……そう、一人も。
 遅くなったとはいえ、ただかだか八時やそこらを過ぎた時間だ。人影を誰一人見かけないのは珍しいことだった。
 偶然珍しいことが重なっただけ? ――違う。それなら、どうしてここにも人がいないの。
 めまぐるしく回る考えは最悪の答えにたどり着こうとしていた。
 ……でも、もし……本当に、そうなら。私に何ができるというのだろう。
 ……初めから。あの練習室を出た時から私がどこか違う場所に足を踏み入れていたのだとしたら。私は―――――。
 そこまで考えが至った時だった。雪花の耳に、再びあの足音が聞こえてきた。……いや。先ほどまでよりも、随分音が近い。
 静まり返った地下鉄の中を、ただ一つ、その音だけが響き渡る。あちらこちらに反響して、どこからその足音が聞こえるのか、雪花にはわからなかった。
 だが、確実にこちらに近づいていることだけは、わかる。それでも、雪花はもう動かない。……動けなかった。
 どうせ……きっと無駄だもの。どこに逃げても、あの足音は追ってくる。
 それならもう、ここを動かない。一度泣いてしまったせいか、彼女はいま妙に静かな気持ちでその足音が自分に近づいてくるのを聞いていた。
 そして、その足音が自分の背後で止まった時。
 彼女は初めて振り向いた。
「……よぅ」
 ――――そこには、雪花が想像しえなかったものが立っていた。
 …………人間だ。
 どこからどう見ても、それは雪花が先ほどまで死に物狂いで求めていた人間の姿だった。
 全身を黒で纏ったその男は、大きく目を見開いて物も言えない雪花をどこか面倒そうに見下ろしていた。さらさらとした黒く、短い髪を軽く手でかき混ぜながら、黒よりも深い闇色の目で彼女を捉える。雪花が惚けてその顔を眺めていると、男は表情らしい表情も浮かべないままに言った。
「随分と逃げ回ってたな。……もう逃げないのか?」
 一瞬、自分が話しかけられているんだ、ということに気づかないほど、彼の口調は無愛想だった。低音のテノールの響きの中には、他人への興味というものがほとんど感じられない。
 どうしてこの人は、私に話しかけるのだろう――――?
 そう思ってしまうほどに。
 ぼうっとした頭でそんなことを考えていた雪花は、震える唇をなんとか動かして、言葉を紡いだ。
「あなた……だったの?」
 さっきの足音は、と言いかけて、雪花は口をつぐんだ。男の顔がひどく不機嫌そうに歪んだからだ。
「……何が。お前のケツを付け回した相手か? わざわざ姑息な小細工まで使って」
「ち、違うんですか?」
 男のあまりの不機嫌さに思わず聞き返すと、彼は当たり前だろうが、とはき捨てるように呟いた。
「あいにく、そこまで暇じゃない。……これでも助けに来てやったんだがな」
「……助け、に?」
 身をかがめ、へたり込んでいる雪花の鼻先数センチのところまで顔を近づけ、男がふ、と笑う。が、男性というものにまったく免疫のない雪花は話の内容よりもその顔の近さにまず動揺した。
「…………おい。なんで後ずさるんだ」
 少しでも至近距離から離れようとじりじりと後ずさる雪花に、男は眉根を寄せた。まだ疑っているのか、とでも言いたげだ。
「ち、違うんです……!あの……」
 雪花は大いに動揺した。いくら得体の知れない男だとしても、助けに来た、という相手を怒らせるわけにはいかない。先ほどまでどれだけ求めても見出せなかった人間。ここで見捨てられれば、自分は永遠にこの灰色の世界を彷徨うことになるかもしれないのだ。……考えるだけでぞっとした。
 どうにかして男に弁解しなければ、と雪花が四苦八苦していた、その矢先。
 不意に、男の表情が変わった。
 かがめていた腰をす、と戻し、無人の地下鉄をぐるり、と見回す。
「…………ふーん。意外と早いな」
 この場には場違いな、感心したような口調で、男はいまだに座ったままの雪花に目を移した。
「あいつはよっぽどあんたにご執心のようだな。この俺が歪めてやった綻びをもう元に戻したぞ。……まぁもうしばらくは追って来れないだろうけど」
 相変わらず面倒そうな様子で、男は軽く肩を竦める。雪花は聞き返した。
「……ほころび……?」
「あんたが迷い込んだだろう。空間の小さな綻びに。あんたがいた場所に最も近いが、決して相容れない場所だ。どこまで行ってもあんたと、あんたを招いた奴しか存在しない」
 男の言葉に、雪花は考え込む。……言葉はよくわからないが、何を言っているのかはわかる。どこまで行っても誰一人いなかった、空間。自分の他に存在したのは、あの不気味な足音だけ。
「でも……あなたは?」
 首をかしげて雪花は男を見上げる。追いつかれた、と思った足音の主は、この人だった。だから、思わずあなただったのか、と問うてしまったのに。
「俺は特別だからな。思わしくない気配が獲物に狙いを定めたのも知ってたし、お前らの他愛のない追いかけごっこも始終見てた」
 他愛のない、と言い切られ、雪花は一瞬で涙が目の縁に浮かぶのを感じた。
 この人は……一体自分がどれだけの恐怖の中にあったと思っているのだろうか。
 怖くて、恐ろしくて、あまりに理不尽で。しっかりと掴んでいないと、簡単に心ははじけ飛びそうだった。それなのに……!
 あまりの憤怒(ふんぬ)に言葉がでない雪花を見て、男はため息をついた。
「……あのなぁ、俺を責めるのはお門違いだろう。妖(あやかし)を呼び寄せる負の感情を纏うのはいつもお前らの方だ。……何か、面白くないことでもあったんじゃないのか」
「…………!?」
 図星をつかれ、雪花は息を呑んだ。そして、レッスン室を出るときに自分が何を考えていたかを思い出す。
 指導者の理不尽な行いへの不満、学校での生活への倦怠、そして……家族への疲れ。
 まさか……でも、あんなことで……?
「まぁ、お前の場合原因はそれだけじゃないがな」
 小さくそう呟くと、男は初めて能動的な笑みを浮かべて、先ほどと同じように腰をかがめる。そして、何を思ったか雪花の首筋に唇を寄せてきた。
「や……!」
 驚き、反射的に抗おうとして振り上げた手さえも、男は容易に封じる。
「騒ぐなよ」
 耳元で囁かれる声は妙に蟲惑(こわく)的で、熱くなった雪花の脳内はじわりとしたしびれに支配される。次いで首筋を這う濡れた男の舌の感触に、たまらず雪花は喉元で声なき悲鳴をあげた。
「…………ふむ。やっぱりな」
 そんな雪花の様子を意にも介さず、用件が済んだらしい男はぺろり、と口の端を一舐めし、簡単に彼女を解放する。
「な、何をするんですか、あなたは……!!」
 男が離れてようやく動くようになった自分の身体を憎らしく思いながら、雪花は真っ赤な顔で抗議した。
「何って、確かめただけだろう。あんたこそ何で真っ赤になってるんだ?」
 しれっとした様子で聞いてくる男に、雪花は茫然とした。
 あんなことをしておいて何、もないだろうに。一体この男ひとの頭はどうなっているのだろう。
「一体何を確かめたんですか!?」
 怒りも手伝って、雪花は険のある目で男を睨みつける。先ほどまでとは程遠いその彼女の様子に、男は軽く目を見張り、そして面白そうに笑った。
「なんだ。そんな顔もできるんじゃないか。さっきまでの頼りなさそうなのより、そういう威勢のいい顔してた方がいいぞ」
「そ、そんなこと、私の勝手です!」
 むきになって言い放つと、男はふん、と鼻で笑う。そして、手を差し出してきた。
「――――立てよ。のんびりしてる時間はないぞ」
 突然のその言葉に雪花がその手を見つめて戸惑っていると、男は構わず雪花の二の腕を掴み、力を込めて引き上げた。思わずたたらを踏んでよろける雪花を支えてやりながら、男は静かに口を開く。
「お前に一つ言っておく。……何を見ても、怯えるなよ。それはやつらの力になる」
 よろけならがも自分の力で立った雪花から手を離し、男がまっすぐに彼女に目を向けてきた。
「!……その目……」
 先ほどまで確かに黒かった男の目は、今、血のような深紅に染まっていた。く、と男が喉元だけで笑う。
「この目が怖いか?」
 どこか張りのない声で聞いてくる男に、雪花は一瞬戸惑い、それでも強く首を横に振った。
「怖くは……ないです」
 綺麗だと、思いますと答えると、男はひどく意外そうに目を少し見開いた。その顔を見ながら、雪花はほんとです、と付け加え、しっかりとした声で尋ねた。
「あなたの名前……教えてください」
 
 
©CrowdGate Co.,Ltd All Rights Reserved.
 
| 総合TOP | サイトマップ | プライバシーポリシー | 規約