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クリエイター名 |
梨月ほのか |
コメント |
はじめまして、梨月ほのか(なしつきほのか)と申します。 得意分野はファンタジー、ホラーで、現代、恋愛系も書けます。苦手分野は推理ものです。ギャグも書けますが、やや硬い感じになってしまうと思われます。出来るだけ意向に添えるように頑張ります。よろしくお願いします。 |
サンプル |
サンプル1
ふと正気を取り戻した時、周りに透き通るような闇が落ちていて、それで今は夜だと分かった。 街灯が石畳を淡く照らしていて、闇に慣れた瞳には眩しい。虫のたかる光源に血膿色の瞳を眇めて、不意に彼は思い出す。彼は先程迄狭く黴臭い褥の中にいたはずだが、いかなる手段を用いてか、抜け出す事に成功していた。ともあれ、自由の身となったのは彼にとって喜ばしい事だった。行動は制限されないし、風を感じる事も出来る。 酷く喉が乾いている事が気になったが、それよりも先に帰宅するべきだと足を早める。 自分の足が望むままさ迷い歩き、彼はある建物の前で立ち止まった。 細い細工の施された黒い門と庭師によってこぢんまりと整えられた針葉樹が見える。更に奥に視線を移すと、少々古びた雰囲気の建物の姿があり、荘重な邸宅だとすぐに悟る。 刹那、自覚した既視感に彼は嘆息する。
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