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クリエイター名  神咲 樹
築く。

どうして人はこんなにも切なくなるんだろう?
どうしてこんなに、僕とアンタは違うんだろう?

それはね、人間だからだよ。

誰かがそう言ったのを、浅い眠りの中で聴いたような気がした
その声が誰だとか、そんなことを考えることもなく
僕はその声がする方へと身を寄せた

其処はとっても気持ちが良い場所だった
温かい日差しに溢れた、輝く場所
僕の他には誰も居なかった
けど、其処は確実に僕を受け入れてくれる場所だった

「‥温かい‥」

僕が欲しいものだけが存在する場所
青いソラに、ふわふわとした雲
そしてアンタが居た
笑って、僕を見ていた
そんなアンタに近づこうとすると、アンタは遠ざかる

「何で?」

何処までも遠ざかるアンタを僕を追いかけた
なのにいつまで経っても、手が届かない
僕はアンタを追い掛けることを止めて、ソラを見た
このソラは確かに僕が欲しいものをくれるけど‥

「ホントじゃないんだな‥」

そう思ったら、虚しくなった。
風が‥頬を撫ぜる
凍て付く寒さなのに、何故か温かいと思った日差し
僕は目を覚ましていた

涙の跡なんで、ある訳無い
あれは夢なんだから

この凍て付く寒さの中に、アンタを見つけた
そんなことを言ったら、アンタは笑いながら僕の頬を引っ張るんだろうな

アンタが背負ってるモンは僕には見えない
これでも必死なんだよ
アンタの言葉や行動、表情から察してさ
迷惑かも知れない。
そう思いながらも、アンタを観察するんだ
この観察で何度も喧嘩になった

「煩いよ、お前」
「うせぇよ。アンタが何も言わないからだろ!」
「誰も頼んで無いだろう?俺を詮索するんじゃないよ」

僕の我が侭な意見をアンタに押し付けて
喧嘩になるけど
僕はそれで構わない

僕のそんな意見でアンタは心を乱し
アンタと僕はもっと強くなるんだよ
その強さは今までとは違う強さになるって
僕はそう思ってる

アンタの頑固なまでの自分への戒め
それと僕との喧嘩が混じりあって、新しい強さになる

そうなった‥
僕たちもっと長く、一緒に居られるよな?

そんな関係を築いていきたい
アンタが好きだから。

「駄目か?」
「お前は馬鹿だね」

そう笑って、アンタは僕を抱き締めた。
 
 
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