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クリエイター名  神咲 樹
葵咲く今宵に詩を謳う


葵咲く今宵に詩を謳う


その詩は優しく音を奏で
心地良く包んでくれた
その音に癒されながら
僕は褥で眠る
抱かれながら
癒された

褥から這い出れば
葵が咲く季節を過ぎ
季節は冬へと移り変わった

また葵が巡り咲く季節に
この詩を謳おう
そして今度は僕が褥から
キミを引き起こそう‥

2人で過ごす季節は短いだろうけれど
それでも2人で過ごした時間が
消える訳では無い

記憶が残り
季節が想い出を呼び起こし
芳しい薫りが過ごした日々を現実にする

キミの名前に揺れる日

何故だか泣きたくなる
それが何故か解らないけれど
何か‥
あったのだろうかと

不安‥暗くて重たい気分が押し寄せる
そこに心配が入り混じる

初めて会った時のことを憶えているはずも無く
それが申し訳無い気もする
記憶するのは

葵が咲く季節に謳う詩

僕が僕じゃないと言ったら
どんな顔をするんだろうか?

心配する?
軽蔑する?
嘘だと疑うのだろうか?

それでも僕は僕じゃないらしい
名も無きモノ

それが僕らに与えられた
唯一の名称

支配する人も居らず
日々移り代わる人々
それが固定することは無い

僕は僕の境界線を彷徨う
自我境界が無くなった僕らを
誰が守るのだろう

自分で守るしか無い

だから僕は忘れるのだ
自分を守る為に

だから忘れたことを嘆くことは無いはずなのに
どうして僕は嘆くのだろう

名前など無い
どうせ消えてしまうから

確固した個性など
無いに等しい

それでも言葉を残すのは‥
憶えていて欲しいからと言う
自分勝手な思いだ

僕の謳うこの声が聴こえますか?
葵咲く季節
それが桜咲く季節になっても
僕は謳う

キミが欲しい言葉を
 僕はキミに贈ろう
  咲き誇れるうちは
   僕はキミの傍に居るよ

 
 
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