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クリエイター名  松田 ナオ
サンプル

去年、ある文学大賞に送って落選した作品です。
サブカル的な自分とか言って自己陶酔して、書いてしまった黒歴史作品です。
まだまだまだ続きがあります。
今は、ほんの少し勉強したので、もう少しマトモなモノが書けます。
その前に、サンプルとして大丈夫なクオリティか疑問ですけど。

 「OOO(ちょっと書けないタイトル)」
 空調の効いたコンビニの棚の猥雑パラダイスの前の僕は立ち尽くしている。僕の汗のかき具合をどうあなた方に伝えればいいだろうか。なんかの歌詞に「アイスコーヒーが汗をかいた〜♪」なんていうのがあった。まぁ、その歌詞を聴いたあなた方のイメージの四分の一ぐらいですか。
 さて、空調が効いているコンビニで何故に僕はそんなに汗をかいているのだろうか。そう、夏服の学生服のままで、コンビニでエロ本を読もうとしたが、昨日まで無かったものがあったために、僕は焦りを感じていた。この焦りは、まるで、爆弾の赤の配線を切るか、青の配線をいってしまうか、迷って、なんかヤケになってどっちも切った際に実はもう一本あって、もう何がなんだか分からなくなったときに近い。それの二分の一ぐらい。まあ、あなた方もそんな経験は誰でもあるからだいたい予想がつくだろう。そう、本を開けられないし、開けようとすると青いテープが邪魔をする。この国はとうとうエロ本にまで法の見えざる手を回してきた。この「見えざる手」、あなた方も経験はないだろうか?
 わかる、わかるよ。この青いテープはさっ、青だけに青少年の育成に悪いとか、公序良俗に反するとか子どもために大人がなんとかしようってことだろう、きっと。なぜ「きっと」なのか、それは僕から見た世界の約六割は「大人の事情」に覆われてしまって、僕達に与えられるのは「大人ゲート」を通過した所謂「正しいもの」をただ、ただ、享受されるからだ。だから、今のところ、本質がいまいち見えていない。見えている同級生の人も居るのだろうけど、僕のような中学生日記を見て首を傾げている僕には見えない。
 でも、瞳に写るのは露出・謎の言葉・胸・札束風呂が描かれている魔法の本である。僕は大人になったら、こういう本を堂々と買える大人になりたい。いや、なる。別になることへの躊躇いも迷いもない。今は青いビニールテープで開けることは出来ないし、買えないままだけど、大人になるということはさらに未知の世界「袋とじ」の中身が見られるということなのであろう。
 そんな僕の歩き出す「諦め」と「袋とじ開けたい」と刻まれ店を出ていく背中にバイトの女の子坂本さん(山岡さん)は「ありがとうございました」と声を出す。こっちは向いてない。彼女を説明しておくと彼女は先週まで坂本さんではなかった。いや、もともと坂本さんじゃない。じゃあ、今の坂本はなんだ?偽者か?ダミーなのか?ブラフか?騙し絵なのか?これも政府の「見えざる手」か?この国は坂本さん、いや、あのバイトの女の子を「大人ゲート」に通して、大人なものにかえてしまったのか。あなた方はそんなことを考えていることでしょう。でも、違う。政府のせいでも「大人ゲート」を通過したわけでも、そして大人なものにかわってしまった彼女なわけでもない、きっと。
 なぜ「きっと」なのか、この世は男と女と童貞で構成されている。しかし、神様の意地悪で、女の子に生まれたのに男の脳みそになってしまうということが、最近、ニュースでやっているのを見た。つまり、彼女は大人なものになったかどうかと問われれば、彼女がそのまま所謂まっとうに生きている女の子ならその確立は確かに高い。それは、バイトしている=「まぁ、中学校を出ている。」この方程式が合えば、彼女は初体験という大人ゲートを通っているわけで、彼女は「大人」なものである。しかし、どうだろう。もし彼女が先程のようなことになっていたら。彼女の脳のなかは男なわけであり、身体は女であっても童貞なわけであり、彼女はつまり、身体が女である限り永遠に楽園の妖精童貞なのである。あなた方の中で、もうバカらしいし、書いてあることの意味が分からなくなっている人も居るだろう。
「僕は別にあなた方に分かってもらおうとしているわけじゃない。」
 なんてカッコいいのだろう、僕は。こんなセリフを堂々と言ってみたい。果たして僕達、人間はどれほど認められないことを恐れてきたのだろうか。そして、頑張って認められるために作られてきたものを、どれほどけなしてきてしまったのだろうか。今日も「アレはパクリだ。」「コレはつまらない。」「気持ち悪い」「映画としては最低だ」。そんな言葉をインターネットという軽いメディアを使って掲示板やレビューなどで重く誰かを傷つけてしまっているのだ、あなた方は。まぁいいや。とりあえず、分かりやすくするためにニュースあたりのとこは忘れてもいいです。
 それで、えっと、坂本さんは坂本さんじゃないって話。それは単純に先週まで「山岡」というバッチをつけていたからです。それは、客に名前を覚えてもらいたくないからだと思います。あと坂本さんは意外と美人です。実はこの坂本さん、本編で意外と大切なキャラかもしれないので、チェックしときましょう。手のひらに軽い気持ちで坂本って油性のペンで書いとくと、なかなかシュールな感じでいいですよ。僕は嫌いじゃないです。
 そんな、学校に出勤途中のコンビニの僕でした。

つづく…
 
 
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