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クリエイター名 |
立夏 |
物語の終わり
私いつも不思議なのよ。 貴方どうお思いになって? ほら、探偵小説というのは、途中で終わってしまうでしょう。 血も涙も無い冷酷な殺人鬼。 親の仇打ちを誓った復讐者。 彼らの物語の大詰めよ。 名探偵が容疑者を集めて、犯人を指差して。 いつもそこで物語は終わるの。 でもその続きは? 憎むべき人殺しはどうなるのかしら。 罪も無い隣人を殺した人間はどんな扱いを受けるの? これからその謎が解けるのね。 ねえ私は何を用意すればいい? この指輪は? 持ってゆけるかしら。 宝物なのよ。 持ち主の願いを叶えると言われているの。 何か大事なものと引き換えに。 すぐにも絞首刑ですって? いいえ、それこそが私の夢。 だって私は殺人事件が大好きなんですもの。
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