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クリエイター名 |
硝子屋歪 |
コメント |
文章を書かせて頂いております、硝子屋歪(がらすや ひずみ)と申します。得意分野はシリアス系、恋愛系、でしょうか。苦手分野はギャグ系ですが、拙いものの書くことが出来ます。どうぞ宜しくお願い致します。 |
サンプル |
月と曹達と猫と桃
酷く現実感の無い空間だった。 真っ白のような、或いは真っ黒のような、曖昧な空間の中央にひとつ、猫足の象牙のテーブルが置かれている。 少女は夢の特有である奇妙な自信に背を押され、迷う事なくテーブルへと歩み寄った。テーブルの下には二本足で立つ猫がいる。どこかの絵本の世界かしらと、少女はぱちぱち瞬いた。
融けた月が、象牙のテーブルに置かれた硝子のコップの中、湛えられた曹達水にゆらりと浮かぶ。 コップをそっとつまみ上げ、それをひといきに飲み干して、少女は小さく首を傾げた。
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