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クリエイター名 |
織る希 |
コメント |
初めまして織る希です。 小説、コラムなどが得意です。得意な分野は恋愛、ほのぼの、ちょっとイイ話など。 特にキャラクターを生き生きと動かすことに生き甲斐を感じております。 こども、老人などについて書くのが好きです。 グロテスクな表現や、陰惨な雰囲気も書けます。 文章は平易で、幅広い年齢の方に読んでいただけるのではないかと思っております。 それでは、宜しくお願い申し上げます。 |
サンプル |
サンプル1
「ご・み・の・ひ」
ゴミの日が怖い。カレンダーを見て、明日はゴミの日かあ、と思っただけで胃が痛む。頭痛がする。下痢になる。 何が怖いってまず分別方法がよくわからない。わが市は偏執狂的な分別を市民に要求してくる。例えば、スナック菓子の袋は印刷部分と銀色部分の2枚に開いて捨てなければならない。つるつるの紙とさらさらの紙は違うゴミだ、などと言う。ゴミの日、部屋でお菓子の袋を目を閉じて撫で、これはつるつる……こっちはさらさら……これは、さらつる? つるさら? などと無駄に指紋をすり減らしている。 そしてやっとのことでわけたゴミを持って、ゴミ収集所まで行くと、シュロ箒を持ったオバチャンが仁王立ちで待っている。こちらが家を出た段階で、すでに疑惑の目で見ている。見るだけなら仕方ない。彼女は「ご苦労さまー」とゴミをゴミ山のてっぺんに積んであげる親切のふりをして、他人のゴミ袋をいちいち揉むのだ。怖い。 そう、そこであるべきではない音&感触がすれば、アウトである。つるつる紙とさらさら紙を瞬時に選り分けるオバチャンを誰もごまかせない。
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