|
クリエイター名 |
カプラン |
コメント |
斜にかまえた文章を得意としています。ほのぼのした話もいけますが、どちらかといえば灰汁の強い話を好んで書いております。日常、バイオレンス、アクションなどを得意としていますが、その他のジャンルにもどんどん挑戦していきたいと思っています。 また男女間の恋愛及びヤオイも得意ですが、えぐい表現が多いです。ご了承くださいませ。
|
サンプル |
サンプル1
邂逅
安い賃金でこき使われる船乗りなんて真っ平ごめんだ。海へ出るならやっぱり海賊だろう。それも海賊ならどんなお頭の元でもいいというわけにはいかない。どうせ売り込むなら強くてできるだけ上等な、能力の飛び抜けている奴。それでいて野心家で、だが軽率ではない男。あと、できれば不細工な奴より男前の方がいいな。 最後の希望だけにわずかな子供らしさを見せて、少年は塀の上に座って両足をぶらぶらとさせながら街並みを見下ろしていた。 年のころは12、13歳。いや、もう少し小さいだろうか。残念ながら実際の年齢は少年さえも知り得ないことなので、歳を口にするときはその時々で変えることにしていた。最年少では8歳、最年長では13歳だ。当人が気に入っているのはもちろん最年長のほうで、それでもころころとよく変わるその表情から滲み出る、純粋な幼さは隠しようがない。少年を侮る者が多いのは、そのせいだ。 だがこの界隈に長く住む者は皆が知っている。いつのころからかこの町に現れた少年が、見た目とは裏腹にひどく狡猾であることを。そして欲しいものはなにをしてでも手に入れ、それゆえにロビリィ――強奪者――と呼ばれていることを。
|
ホームページ |
|
|
|
|