|
クリエイター名 |
待雪天音 |
コメント |
お初にお目に掛かります、待雪天音と申します。 日夜もそもそと創作に明け暮れるしがない物書き志望ですが、作品への愛と読者様、依頼者様に愛して頂けるような作品作りを目指しております。 作品の傾向は 西洋、ダーク、ファンタジー、恋愛 といった要素が大好物。 最近はイギリスに魅了されている、レトロな香りを好む物書きです。 |
サンプル |
Sample-1---イントロダクション
ちりぢりの雲間からは、丁度夕日が沈んでいく所だった。 もうすぐ、その闇には仄白い月が浮かび上がるのだろう。 キッチンの窓辺に椅子を引っ張ってきた男が、短い黄昏時を憂うかのように頬杖を付いた。窓枠の狭い隙間に肘を付いて、ガラス玉のような瞳がマゼンタに染まる空を見つめる。
山姫
それは、小さな身体だった。木の根本で、横たわるようにして目を閉じている野ウサギの身体。 野生のウサギにしては柔らかい毛並み。少年はそれを腕に抱き込んだ瞬間、吸い込んだ息を止めるように短い悲鳴を上げた。 呆然と野ウサギを見下ろしていた瞳が、突如として焦点を結んだ。じわりと広がる、背筋を這うようないやな感覚。寒くもないのに、少年の身体はガタガタと酷く震え出す。
|
ホームページ |
|
|
|
|