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クリエイター名 |
桔京双葉 |
コメント |
透明感と清らかな水の流れにも似た叙情性と臨場感を重視。脆く儚げでありながら、その中に真の強さを宿す世界。主にファンタジーと、溶けそうな甘い雰囲気の恋愛小説・現代小説・童話を書きます。 |
サンプル |
瓦礫の街
傍らからはシャツを纏う、微かな衣擦れの音が聞こえた。 その時、襟を直し、立ち去りかけたと思われていたディーの声がした。 「もう一度前線へ戻っても、誰かが俺を覚えていてくれるだろうか」 瞬間的に、セアがディーの方を見た。 既にディーは背を向け、歩き出したところだった。 風が伸びかけたディーの髪を揺らしていく。
祈りの涙
「……」 ディーが何か言い掛け、息を吸い込むのが分かった。 けれど、言葉は紡がれない。 言葉に窮している。 自ら身を引き剥がすべきか、ディーは迷っているのだ。 こんな風に触れ合った事を。
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