|
クリエイター名 |
シマキ |
コメント |
SF、ミステリーの類は不得手かもしれません。執筆の際は、その世界なりのリアリティを出すことを目指しています。 |
サンプル |
サンプル1
LOVERS
「無理をする必要はないんじゃないか?」 ベッドの上で契約者はそう言った。 「ヴィヴィ、俺と契約する時に恋人になってくれ、愛を教えてくれといったよな。そういう風なやつでいいのか?」 今までの契約者たちの中にヴィオラに対しそういう言葉を発した者はいない。彼女は欲情の性質を持つ悪魔。体を求められるのは毎回の事であったし、彼女自身もそれが当然なのだろうと覚悟していた。
サンプル2
落日
従業員数二十名程度の町工場。夏は窯に熱され,冬は隙間風が吹き込む。決して良好とはいえない環境で久士がガンを握るようになってすでに5年が過ぎた。 シンナーで板金についた油や汗を落とし、サンドペーパーで磨き、吊るされた金属片にガンで塗料を吹き付ける日々。現場に入るようになってはじめて、漠然と親の後を継ぐのだと考えていた自分が甘かったことに気がついた。 自分の手を見つめるとそこには労働者の手。指はつまり、節くれ立ち、爪の間には暗い色の塗材がこびりついている。汚い手だ。このまま、俺はこんな生活を続けていくのだろうか。
|
ホームページ |
|
|
|
|