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クリエイター名  間宮邦彦
コメント  ども。間宮です。
一生懸命書くので、よろしくお願いします。
サンプル 夢のような空のように

 夢のような時間が過ぎ去って、空ろな日々が始まる。
 君のいたこの場所で、君のいない時間を過ごす。
 世界に埋もれていくかのようにそっと。静かにずっと。
 それでも僕は、心に甘い痛みを抱いて、君を想い続ける。
 いつか心が壊れたとしても、破片の一つ一つでさえ、君への想いになっているように。
 願いを込めて、祈りを込めて。


朝焼け

 ただ朝焼けが見たくて、ただそれだけの為に、僕らは毎日其処へ足を運ぶ。
「綺麗だな」「うん」「気持ちいいなぁ」「ねぇ」「カミサマに感謝」「また?」
 そんなやり取りを、決められた事のように毎日繰り返す。変わらない言葉。不変であることの心地よさ、意図した安息の温もりに、僕らは例えようもない幸福感を抱く。
 僕らは全部で六人。
 動物好きの有田秀兵、音楽好きの高橋叶美、読書好きの西島優人、小物好きの貴島清香、漫画好きの篠原恵路、映画好きの近藤朝来。
 朝来は十三歳、まだ中学校に上がったばかりの子供だ。でも、僕らに此処を教えてくれたのは朝来だった。


アジサイ

 アジサイの花が咲く頃、君とまた――

 会社が忙しい時期だっていうのに彼女がどうしてもと強請(ねだ)るから、僕は同僚の顰蹙(ひんしゅく)も厭(いと)わずに有給を取った。
 そして僕等は、付き合って三年目、初めての海に来た。
 空の機嫌は良好。神様は僕等のことが好きらしい。照りつける陽射しは爽快、熱せられた砂の感触は幼い日の砂場遊びを喚起させた。友人から教わった穴場の砂浜は、聞いたとおりに足跡一つ見当たらない。彼女はいたく気に入ったようで、ビーチパラソルの持ちにくさに対する不平不満はどこへやら、諸々の準備を放り出し、ヒールの高いサンダルを脱ぎ捨てて波と戯れに行ってしまった。仕方なく僕は、溜息混じりに準備を始めた。ビーチパラソルを立て、シートを敷く。それ自体は大した作業ではなかったが、クーラーボックスとバッグを担いで砂浜を歩いたことによる疲労は、暑さと運動不足、運転疲れと相まって言いようのない怠さを感じさせた。
 波打ち際でステップを踏む彼女を一瞥し、僕はシートの上に寝転がった。空の陽気も、海の清涼感も、砂の滑らかさも無視して。

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