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クリエイター名 |
枝垂虎謳 |
コメント |
射手座B型、読書は割と濫読派です。 ツンデレは正義、ヤンデレは法と考えています。 |
サンプル |
乙女ゲーム冒頭風
別に、深い意味があった訳じゃないんだけど。 「毎日、此処に来るのが楽しみ。……っていうか、落ち着く」 と、言ったら、いつも無愛想な店長が片眉を上げ、目を眇めた。 「そんな風に、おじさんを弄ぶもんじゃないよ」 ええええええ!? 弄ぶって、何? 眉を寄せながら、店長は私の前に注文した覚えのない皿を置いた。
魔術師×魔女っ子
主であり、師でもあるザシャは宮廷魔術師。『銀の王冠』の異名(ふたつな)は最早、称号となりつつある。 帝国で最も尊きは女帝陛下、最も偉大なるは宮廷魔術師ザシャ。女帝陛下が金の冠を戴くとすれば、彼には銀の冠を与えるべきだ、と言ったものがいた。以来、皇帝の統治するこの国において非公式ながら『王』と称せられる。 しかし、ザシャは決して奢侈を好まず、宮廷の儀式のとき以外には質素な黒い外套を纏い、身に一顆の宝石も着けず、召し使うのは、弟子であるケイトただひとり。その清廉さが更に敬慕される。 しかし、ただひとりの弟子であるがゆえに、ケイトの仕事が余りに多すぎる。 魔法使いを目指したからには、世の娘たちのように恋や遊びにうつつをぬかしたいなどと考えたことはないが、料理洗濯掃除に、来客を嫌う師の代わりに高貴な人からの使者を追い返したり、手紙の返事を書いたりと多忙を極めている。 「下賤な仕事は使い魔にさせればよかろう」と師はせせら笑う。そんな高度な魔術を教わる暇などないし、必死で時間を作ったときにも、この師は教えてはくれず、三つある書庫のうちの何処かにそれについて書かれた書物があるから勝手に読んで研究しろと言った。
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