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クリエイター名 |
佐伯七十郎 |
コメント |
佐伯七十郎と申します。情景の伝わり易い文章と、テンポの良い台詞の応酬を得意としております。恋愛、アクション、コメディ、シリアス、何でもござれ。キャラクターの個性を大事にし、お客様に満足頂ける作品を作れればと思っております。 |
サンプル |
時が動いた瞬間
時が動いた瞬間
寝苦しさで目が覚めた。辺りを見渡せば真っ暗。更に眼鏡をかけていないせいで何も見えない。慌てて眼鏡に手を伸ばすが、別に何を見るわけでもないなと思い直して、また布団に潜った。けれど一度目覚めた脳はなかなか眠りに落ちてくれず、私は横にかけたジャケットから携帯電話を取り出して時刻を見た。腕時計ははめているけど、暗くて見えない。 時刻は午前二時二十六分だった。携帯電話のディスプレイの明るい光を毛布に隠す。背中が痛くて身体を横にすると、隣で寝ている人が見えた。私が寝る前までは仲間の人たちと散々騒いでいたのに、私が起きると寝ている。何だか妙に悔しい。
雨上がり
雨上がり
ここのところずっと、外出するたびに傘を広げている。しとしとと降り続く雨の中、できることなら外出なんてしたくないのだが、学校があるためにそうもいかない。午前中に授業が終わったとしてもどこかに遊びに行くこともできず、私は早く家に帰ろうと急いだ。雨なんて、湿気で髪の毛は跳ねるし、服は濡れるし、いいことなんて一つもない。雨はただ、憂鬱なだけである。
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