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オリジナルノベル


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CLOSE - 黒焔
●赤い糸



「……南東、○○高校の制服を着てるわ。スポーツでもやっているのか体型はいいほうよ」
「ありがとうございます!」
また一人、女子高生が喜んで去っていく。
「お、お願いします」
そしてまた一人。

CLOSE - azumi
●滑稽な条件反射

 カチカチと音を立ててネジを回した。
 少しずつ重くなるネジの重みを感じながら、それでも最後まで巻き切って。
 指を離すと同時に耳に届く音色に、そっと瞼を閉じる。
 こうするだけで思い浮かぶ顔に、自然と頬は綻び口元は上がるんだ。

 速いテンポで流れる音楽は、何度か繰り返された後、徐々に速度を落としていく。
 やがて曲の山場を残して止まった音色。

●叶わぬ願望

「ただいま」
 声をかけてきた貴方に「おかえり」と返した。
 たったそれだけの事に貴方はクスクスと笑って、また私へと口を開く。
「可愛いな、お前は」
 毎日かけられる言葉だけれど、その言葉に飽きる事はない。
 だから、私は明日も貴方に「おかえり」を言うのだろう。


CLOSE - 城崎そばえ
●サンプル1

「今日の夢は、綺麗だったんだ」
 そう言って彼、綾部陸人は慣れた手つきで色鉛筆をペンケースから取り出す。
 青色、水色、藍色、うす青色、青磁色、薄群青色、群青色。
 緑色、黄緑色、松葉色、灰緑色、深緑色、常盤色、エメラルドグリーン。――それから、青緑色に薄青緑色。
 彼は四十八色の色鉛筆の中から、「青色」と「緑色」と呼べる色の鉛筆を、取り出せるだけ取り出している。彼の後ろで、美術室の小さな丸椅子にちょこんと座っている私も、彼がこうして四十八色の色鉛筆を自在に使いこなしている姿を見るまで、青色と緑色と呼べる色鉛筆がこんなにあるなど知らなかった。
 彼の使っている色鉛筆は、私が誕生日に送ったものだ。
 一端の女子高生が画材店で買うことの出来る値段で、ほぼ上限に近いものを買って送ったのだが、四十八色の色鉛筆だけでは、彼のような国立の美大を志望する人間にはまるでなんでもないおもちゃのように感じるのかもしれない。

CLOSE - 新戸青春
●乙女ゲー導入風

 資料室から出ると差し込む日差しで廊下の色が変わっていた。
「ああ、もうこんな時間……」
 今日は帰りに本屋に寄ろうと思っていたのに。先生やクラスメイトに雑事を押し付けられて、気がつけばもう夕方だ。
 最近ではこれが私の放課後の過ごし方となってしまった。
 これじゃあ今までと同じだ。せっかく高校に入って少しは変わろうと思っていたのに。
 小学校の頃から、いつも損な役回り。
 私――朝宮紅葉はずっとそうだ。

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