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オリジナルノベル


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CLOSE - 黄昏みとん
●Sample1

Sample(コミカル系)

 一ヵ月半もあった夏休みも、今日で終わりを告げようとしていた。
 毎年の事ながら、休み前に出された宿題は終わっていない。遊んで過ごしていたら、あっという間に最終日になってしまったのだ。
 そんなわけで今日は必死に部屋に篭って朝から宿題を片付けているわけなのだが、どうにも集中出来なかった。
 出されているプリント自体は難しいわけではない。一日もかからずに終わらせる事が出来る量だろう。
 俺の集中を乱すものは他に存在する。それは音。

●Sample2

Sample(ファンタジー系)

「はっ!」
 素早く攻撃射程内に入り、身の丈もあるような大剣を振り下ろす。だがその動きは完全に見切られ、すんでのところで空を切り裂き、勢いそのままに地面へ。衝突した瞬間、大地を揺るがす轟音を立て、地面に大きなクレーターを作った。
 予想以上の破壊力に驚く間もなく、軽く剣撃を避けただけの敵は地面から吹き上がった土や石の衝撃を全身で食らう。そして数十メートル後ろへと吹き飛ばされ、まるで体全体がゴムで出来ているかのように地面を大きく何度もバウンドして転がっていく。
 一撃で勝負ありだった。敵は完全に沈黙したようで、地面に倒れ伏せたままぴくりとも動かない。勝利の笑みを浮かべながら、リンは敵の下(もと)へと歩み寄る。敵は深いローブで顔を隠していたため、無謀にも命を狙って襲い掛かってきた相手の顔を見てやろうと思ったのだ。
「ふふん。あたしとこの神剣『ゼクシア』を甘く見ないことね」

CLOSE - 雨宮
●言葉の魔法

 ひぐらしが鳴く夏の夕方。夕方だろうと夏の暑さが容赦なく街を包み込む。
 キーンコーンカーンコーン。
 県内の高校では珍しい六階建ての学校からチャイムが鳴り響く。しかし今は夏休みのため生徒は誰もいない。一人を除いてだが。
 その生徒、纏井 紡(まとい つむぎ)は屋上にいた。老朽化したフェンスに囲まれた屋上は生活音から隔離された平静な世界といえる。端の木陰で読んでいた小説を胸の上に置き、ただぼーっと空を眺めている。何を考えるわけでもなく何を思うわけでもなくただ眺めているだけ。たが、その静かな時間にもいずれ邪魔が入る。
 キィという音と共に屋上の扉が開き、白いシャツに赤いスカートの少女が姿を現した。少女はそのまま高さ三メートルほどのフェンスに歩み寄り、下を見つめる。
 数分が経つ。
 そして、三度深呼吸をしたのちフェンスに足をかけ、よじ登ろうとする。

●悪夢の蜃気楼

 「はっ、はっ、はっ、はっ」
 海沿いの砂浜を上下黒いジャージ姿の青年が走っている。体を動かしている間だけは頭の中をカラッポに出来るから。
 現在の時刻は午前四時十二分。季節が夏であるため朝でもまだ肌寒い。辺りは朝焼けに包まれている、人が出歩いている気配はない。聞こえてくるのは波の音 と自分の呼吸音だけだった。しかし、青年の頭の中にはうるさいほど大量の声が駆け巡っている。声を振り払うように青年は砂浜をひた走る。どれだけ走っただ ろう。それすらも定かではない。今自分を襲うのは眠気と疲労、それと―――。
 青年が住んでいるアパートに着くと自分の家の前に大量の手紙が散乱していた。それを無視して扉を開ける。すると玄関にも大量の手紙が放置されており、中には血痕が混じったものもあった。それも無視してリビングに向かう。リビングには長い黒髪で白を基調にしたセーラー服姿の笑顔を浮かべる女子高生の写真が隙間なく壁に貼られていた。
 もちろん青年が貼ったものではない。それも無視する。
 青年は家電が点滅しているのに気づき留守番電話を聞く。
 ピー、という音の後すぐに音声が流れる

CLOSE - 風見
●キャラクターの書き込み例になります

 カウントダウンがとうの昔に始まっていたことに気付いたのは、ごく最近のことである。
 期待の新人だの有望の新鋭だの言われる年齢が遠ざかるにつれ、夢だの希望だのといったきらきらしいものは重い鈍色の緞帳に被われていった。高校生デビューなどというあおり文句への憧れは、いつの間にやら軽蔑や嫉妬に変わっていた。原稿の応募も事務的になり、不採用原稿の数は両手にあまったところで数えることをやめてしまった。
 努力を怠ったわけではなく、無為に日々を過ごしてきたわけでもない。なにごとにつけ不器用である自覚はあるから、寸暇を惜しんで努力してきたつもりだ。
 内科医が面倒くさげに繰っているカルテをぼんやりと眺めながら、高野美紀は右中指の腹をこすった。ペンを握るとき、ペン先をそこへ強く押しつけるようにするのは、幼いころからの癖である。おかげで美紀が付けペンを使うとペン先が歪んでインクが漏れだしてしまう。インクの黒は指紋にそってにじんで、まるであざのように指へ染みついていた。
 十七年ぶんのあざ。それが当たり前になってしまったのはいつだったろう。

●小説の断片(序章)のようなものも作成可能です

   序

 私は手ひどく彼を愛した。
 人間が人間たる機微を知らぬ彼を軽んじてのことではもちろんなかった。
 私の中の優しいかたまり――それは私の根源たる色とはまったく相反する、炎の一等熱いところによく似た色をしていた。
 ひどくねじくれて、だからこそまっすぐで偽りようのないそれは、温度のないように燃えさかりながら涼しげな見た目からは想像もつかない熱心さで私の全身を満たして支配した。
 弱いといえばこれほどに弱いものはなく、脆いといえばこれ以上に脆いものなど存在しないというのに、それはひねりつぶそうとする私の指から、まるで池に浮かぶひょうたんのようにぷかりぷかりと逃れ出ては色を強め、その全霊でもって私の目を眩く突いて焦がした。

CLOSE - 一 一
●サーカスの終幕

 世界が回る。
 私を軸にして回る。
 くるくると回る。
 回る、回る、くるくるくるくる、くるりくる。

■□■


CLOSE - 香月ショウコ
●アルティミラ・サガ

『アルティミラ・サガ』

『ブリアレオス号、戦闘不能! 勝者はヘリオス号!!』
 4つ足の巨大な機兵が前倒しに倒れ地を揺らす。その音にかき消されまいと張り上げた男の声を、つい最近発明されたばかりの拡声器が乗せて観客たちに伝えた。響く歓声。揺らめく人の波。
 コロセウムの中心で己の全長より長い長柄斧を地面に突き立て、片手を挙げて応えるサンドイエローの機兵。歓声は、さらに大きく。

  ・  ・  ・

CLOSE - 美浦 リンゴ
●紅い三日月

紅い三日月   
                        
「おれは最高にイイ女と出会えたかもしれない! 」とバカみたいにくすぐった
いことを言ってみた。
夜、マンションの自転車置き場。パトカーの音がとおりすぎる。
からだはもう動かない。アスファルトがひんやりと気持ちいい。
どれくらいこうしているのかさえ分からなくなってきた。

●アイス

 アイスキス 作 小鶴
                                   

澪は虫歯が一本もない。澪にとって、自慢のひとつだった。

それが<トラウマ>に変わったのは高校生のころだった。


CLOSE - 鳥村悠里
●旅の後に

「ねー、ロビン。どっか行こうよ」
「勉強中だって言ってるだろ」
 テーブルの横で騒いでいるリラに適当に返事をしながら、俺は剣術書のページをめくった。
 俺はロビン。十八歳。今は自由の身だが、数ヶ月前までは周りからは勇者と呼ばれる存在だった。

 俺がまだ幼かった頃のことだ。突如異界から現れた魔王が、この世界を支配しようとおびただしい
数の魔物を放った。魔王本人は手を出さず、ただ城で混乱する人々を見ていたらしい。

CLOSE - siddal
●ドードー鳥の時間

 厚く垂込めるスモッグに太陽の光が遮断され、代わりに永久動力からなる青白い光が空を照らすのが当たり前になって、いったい何年経っただろう。
 窓の外に広がるまるでオーロラのように揺れる淡い光を見上げ、わたしはその向こうにあるであろう輝きを思い出そうとして目を閉じた。
 今でも懐かしく思い出される300年前、ガス灯の普及で満月以外の夜会が行われるようになったように、わたし達は昼も夜も自由に街を行き来できるようになった。
 わたしのように陽光を恐れぬ血族は稀なので、太陽が失われて喜ぶ者は多いが、逆に惜しむ者は僅かしかない。
 昨日真っ赤なワイン片手に訪れたウェステンラ婦人は、太陽を好むなんて家畜や奴隷のする事だと笑っていた。
 家畜、奴隷、言い換えれば―――地べたを這う者達。
 太陽が姿を消す前までは、この星のいたる場所に繁栄し、支配していた者ら。

CLOSE - 佐山 操
●逢えてよかった

タイトル:逢えてよかった

 昔、拾った女性から手紙が来ていた。
 変な言い方かもしれないけど、彼女を僕は道端で拾った。
 そんな想い出の彼女……。

 昔から世話になっていた馴染みのショットバーが近々閉店すると言うので、久々に遊びに行くと、頭がロマンスグレーになったマスターが昔と変わらぬ笑顔で出迎えてくれた。

CLOSE - 槙皇旋律
●あれにするわ

 こんにちは!
 私のブログに訪ねてきてくださり、ありがとうございます。わが社は平成五十七年に設立してより、困難の波を乗り越え、社のモットー「誠実」という言葉の元に社員ともどもお客のニーズに合うようにという努力、お客様笑顔のために日々精進しております。
 このブログは、そんな私のちょっとしたささやかなプライベートを書きたいと思います。

CLOSE - 蔦村涼瀬
●サンプル1

『偽りブルー』

 初めて訪れた町の、喧騒を知らない宿の窓から見上げる空は、この世界の穢れを知らない何て綺麗な青をしているのだろうとロンドは思った。
 けれど……遠くの国では、今頃灰色の煙が立ち込めてこの空を覆っているのだと考えると、酷く寒気がしてならない。
 ──本当によかったのだろうか? いいや、これしか方法はなかったじゃないか! 彼女が知ったら、どんな顔をする?
 分かっていたのにそれでも自分は、彼女をここへ連れてきてしまった。
 昼間の光が差し込む簡素な固いベッドで、少し幼い寝顔をしている少女の面影を残す女性は、昨夜馬車に揺られた疲労が残っているのか、さっきから寝言一つさえ言わない。

CLOSE - 浅野 悠希
●独白 サンプル

 家のためと口答えもせず騎士となり、そして王子の側近にも選ばれた。
 若さ故、家柄のおかげだとやっかみを受けても、何一つ間違ったことをせず真面目に過ごしてきた自分が、唯一家に逆らったこと。
 それは自分で生涯を共にする女性を決め、国を捨てることだった。
(細い月……か、そんな形をした月もあるのだな)
 月といえば、10年に1度現れる大きく神々しい満月だけだと認識していた彼にとって、それは異世界へ来てしまったという実感するに相応しい夜空。
 ベランダから眺めるそれは、故郷よりも星が少なく感じられるし、コンクリートだらけの建物も、バイクや自動車など便利な乗り物も、何一つなかった。
 きっと、彼女が自分の世界に来たときも見慣れぬ物ばかりで戸惑っていたに違いないと、今更ながらに彼女の気丈さに感服する。

●ショートストーリー サンプル

 いつもは煩いくらい付きまとうのに、その日はとても静かだった。
 幼馴染の晴香と裕輔は隣同士で、高校生になった今でも顔を合わさない日はないと言うくらい仲が良い。学校へ行く迎えから休日の遊びに行かないかという誘いまで、とにかくアプローチをするのは裕輔だけ。毎朝しつこいくらいにインターホンを鳴らして晴香の側にいるのが当たり前になっていた。
 そんな日常に慣れていると、静かなことが不安にもなる。午前中こそ、今日はゆっくりとした時間が過ごせるんだと何をするかあれこれ考えていたのに、昼時が近くなればその気持ちも段々薄れてきてしまう。あまりに静かなことが不思議……もとい不審すぎて、隣の部屋を訪ねることにした。
「裕輔、いるの?」
 インターホンを押して、待つこと数秒。慌しい足音に安心感を抱く。きっと今朝は寝坊でもしただけで、何事もないように笑って話し出すに違いない。そう、これは私が日常に慣れすぎて心配しすぎてしまっただけなんだと言い聞かせてみたものの、実際は違っていた。
「なんだ晴香じゃん、おまえの方から来てくれるなんてラッキー! 何か俺に用事?」
「え、あ……その、ね。せっかくのお休みだし、どこか出かけようかなって思うんだけど、裕輔は出掛けないの?」

●コラムサンプル ダイエット

 寒い冬はどうしても家で過ごしてしまいがちで、気がつけば服が入らない……。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。特に秋から冬にかけては美味しい物が増えるシーズンな上飲み会が増える時期ですから、なかなか食べないわけにもいきませんよね。
 そこで、ダイエットを決意される方には覚えていてもらいたい豆知識なのですが、実は暑い夏よりも寒い冬の方がダイエットに適した季節なんです。汗もかきにくいし、脂肪だってため込みやすいのにと思われた方もいるでしょう。確かにそれも事実ですが、冬場は体温調整のために必然的に体を温めようという働きをしているのです。汗をかくのは同じ体温調整でも下げるための作用なので、夏場は脂肪が燃えにくいということですね。
 ちなみに、良く聞く筋力トレーニングですが、確かに筋力があれば代謝が上がりますから必要ですけれど、毎日やっていませんか?
 筋肉とは繊維の集合体ですから、これを鍛えるためには1度壊して生成してもらわないといけません。しかし、1日寝ただけでは復活してくれないのです!
 つまり、毎日毎日厳しいプログラムを組んでトレーニングしたところで、筋肉の繊維は壊れるばかりで修復することが出来ず、筋肉痛が酷くなって諦める……なんて非常に残念なことになってしまうケースもあります。
 休ませすぎると元に戻ってしまいますが、適度な休息が必要なので焦らず続けることが大事です。そのためにはどんなトレーニングが良いでしょうか?
 私がオススメしたいのは、毎日違う部位を鍛えるというやり方です。今日は腕、明日は腹筋と毎日変えればトレーニングを習慣づけることもできる上、各部位を休ませ鍛えることが出来るので効果を実感して頂きやすい方法だと思います。

CLOSE - ふーもん
●あなたの心にクーデター

 この世には天使もいれば悪魔もいる。
 善もあれば悪もある。
 しかし超ロリータエンジェルな美少女はいてはならない。

 それが俺――立川鶴来(たちかわつるぎ)が勝手気儘に決めた戒律。
 そして彼には不動のパートナーがいた。
 その名も紅葉阿斗(くれないはあと)。つるぎの戒律を破る超ロリータエンジェルな美少女だ。

CLOSE - 並井澄
●サンプルノベル<箱庭の中の箱世界>

目の前にある大きな箱と小さな箱。
さぁ、どちらを選ぶ。
そう突きつけられ、私は黙り込んでしまう。

大きく煌びやかな箱には無限の夢が、小さく丈夫な箱には平凡な安定が。
こちとら商売人、次のお客もいるんだ早くしておくれい、と下衆な笑いで女が誘う。
大きな箱に右腕預けてもたれ掛かって、左手で小さな箱を弄ぶ。

●サンプルノベル<少女保護職(国家公務員)とあたし>

そいつはあたしのために作られた「人間」だった。
そんなこというと、またあたしが妄言を吐いていると言われるかもしれないけど、
向こうが言ったんだからしょうがない。
そいつは二十台か、三十台前半といったところかしら。
短い黒髪がまだまだ瑞々しく、生きた人間であることを主張している。  
普通こういうときはロボットだとかそういうものになると思うのだけど、


●サンプルノベル「歪んだ熊は虚空に吠える」

 彼が寂しそうに見えるのは、ここが遊園地ではないからかもしれない。
駅のホームに一人立つ熊男を見つめ、土浦はそう思う。
熊、という厳めしい字面には似合わず、その姿は丸みを帯びて愛らしい。
梅雨の雨で冷えた風が吹くと、あたたかさが羨ましく思える。
いわゆる着ぐるみだ。遊園地や催事場にいる類の、それ。
土浦は今、駅のホームに立つ熊の着ぐるみを見ている。
その姿のせいか、先程も幼児に「くまさん」と呼びかけられていた。

●サンプルノベル「色無し少女は白に焦がれる」

※シリーズものの一部シーンを抜粋




「こひるはいつも窓から来るね」  


CLOSE - 藤枝ツカサ
●シリアス会話サンプル


 それは、変化だった。
 変化とは言え、少女の何が変わったわけではない。
 それでもそれは変化だった。
 ゆらりと少女が立ち上がる。
 かくん、と傾げた首が、魔王を見た。
 そして、唇を開いた。

●シリアスバトルサンプル

 ほう、と楓はため息をついた。
 彼女がいるのはビルの屋上である。高鶴海岸から五百メートルほど離れた四階建ての雑居ビルで、それほど高さがあるわけでもない。だがそれでも落ちたら間違いなく頭がひしゃげるだろう。
 そして今、ビルには楓以外の人影が無かった。否、ビルだけではない。高鶴海岸から半径三キロメートル以内に人の気配は無かった。
 警察が指示を出して全員避難させいるからである。楓も高峰の口添えがなければ入れてもらえなかっただろう。とらえどころがない女だが、こういう時にはありがたい。
「それにしても、『セイレーン』……」
 呟きながら、楓は砂浜の方を見た。左手の指が、自然と腰につけた手榴弾の表面をなでる。
 セイレーン自体は空想上の生物に過ぎない。歌声でかどわかし船を沈める魔性の獣である。

OPEN - 丸山徹
●きょうだい



〜きょうだい〜

*この物語はフィクションです



CLOSE - 真知
●降臨


「なあ、ほんまにやんの? それ」
「今更なに言ってんの。おまえは選ばれて、それを承諾した。もう決定済み」
「……したけどやなあ。これ、どない考えても怪しすぎやろ?」
 歐太(おうた)が辺りを見渡しながら言う。
 山深い雑木林の中、小さなお社があった。
 たいてい大きな神社には同じ敷地内に、こじんまりとした動物を祀ったお社があるものだ。

●前触れ



 ――尾行られている。

 日頃そんなものに縁遠い生活を送っている自分が、遭遇するなど思っても見ないから、今まで気に留めていなかった。
 しかも日曜の真っ昼間。
 駅周辺の繁華街で。

●息もできない



“なあ、あんた。
俺がもし、明日の朝、死体となって道端に転がってたとしても、誰か悲しんでくれると思うかい?
親もいねえ、妻も子もいねえ、友人もいねえ。
他で慕ってくれる女もいねえ。
こんなちっぽけな俺でも、死ねば誰かが悲しんでくれるかなあ?

CLOSE - くらら
●恋愛風小話



 「ねえ。かごめかごめ、やったことある?」

 唐突過ぎる質問に、彼の形の良い眉がちょっとだけ動いた。

 「皆で誰か一人を囲んでくるくる回って、中心の子が目隠ししながら自分の後ろの子を当てるの」

CLOSE - Rei
●海洋都市『アタラクシア』

海洋都市『アタラクシア』


西暦1000×年。
これははるか未来の話である。
地球の文明や発達は、もはや人類の英知を超えるものとなっていた。
そして、人々が暮らす現実世界とは別な空間が新たに生まれた。

CLOSE - 文ノ字律丸
●mazyonosiren

 私は小さな頃から魔法使いに憧れていた。祖母が毎日、魔法使いの世界のことを話して聞かせてくれたからかもしれない。
 おかげですっかり魔法の世界にのめり込んだ私は、ちょうど一ヶ月くらい前から魔女としての生き方を身につけるため、祖母に紹介された先生のところで修行しているのだった。

「先生、リーゼ先生、薬草摘んできました」
「ケイト、お帰りなさい」
 町から離れた場所に住んでいる先生は、一見私より少し年上なだけの女の子だった。いつも黒いローブを羽織り、化粧気はなくて、でもとても綺麗な人。
 先生に年齢を聞くと少し悲しい顔をして「聞いたら、きっとあなたは驚くわ」と言ってはぐらかしてしまう。たぶん、ただ単に年齢を言いたくないだけではないのだと思う。驚くというのは、私が普通の人間だからだろう。先生はきっと化け物になっているのだ。

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